夏が近くなると一斉にドラッグストアの店頭に並び始める除毛クリーム。手軽に使用できて処理後の手触りもよく、便利な商品ではありますが、肌への負担は避けられません。自身の肌質と相談しながら除毛クリームとの付き合い方を学んでいきましょう。
クリームを塗ってお湯で流すとあっという間に毛を無くすことができる「除毛クリーム」。ムダ毛処理に悩んで除毛クリームにたどり着いた方が、一番魅力に感じているのはやはりそのお手軽さではないでしょうか。
クリームを肌に伸ばし、一定の時間が経てばお湯で洗い流すだけで、広範囲のムダ毛を一度に処理することができます。
メリットはそれだけではありません。カミソリでムダ毛を処理した場合、どうしてもその後の手触りがチクチクしてしまったり、毛の根元部分が残って目立ってしまったりします。また、処理したあとに剃り残しがあった!と悲しい気持ちになることも多いのですが、除毛クリームの場合はそれがありませんよね。
このように手軽さと見た目の良さから、選ばれることの多い除毛クリームですが、実はそのメリットを上回るデメリットがあるんです。特に肌の弱い方は、このデメリットを必ず知っておいてください。
除毛クリームを肌に塗ったあと、いったい毛の周囲では何が起こっているのでしょうか。
ドラッグストアなどで販売されている医薬部外品の除毛クリームには、有効成分として「チオグリコール酸カルシウム」が配合されています。この「チオグリコール酸カルシウム」には毛の主成分であるケラチンというタンパク質を溶かす性質があり、これによってムダ毛を無くすことができるのです。
うまくムダ毛だけを溶かしてくれるのであれば素晴らしいアイテムなのですが、実はムダ毛と一緒に溶かしてしまうものが他にもあるんです。それが皮膚。
毛の主成分のケラチンを溶かすのが除毛クリームと解説しましたが、実は毛だけでなく皮膚そのものもケラチンが主成分。つまり除毛クリームを塗った時点で、やっつけたいムダ毛だけでなく大切な皮膚をも溶かしてしまっているのです。
実際に使用後に皮膚障害が起きてしまった事例も多数報告されています。
手軽に、綺麗にムダ毛を処理できる除毛クリームですが、上記で述べたようにそのメリットを上回るデメリットが存在します。使用する際には必ず自分の肌の状況を見極めてから行いましょう。
敏感肌でとにかく肌に刺激を与えたくない場合はそもそも除毛クリームを選ばないことが大切。最近では除毛クリームにも「敏感肌用」と銘打って販売されているものがありますが、実際にはどの商品にも「チオグリコール酸カルシウム」が配合されています。肌の健康を第一に考え他の処理方法を検討しましょう。
肌の強さに自信のある方の場合も、以下の点に注意して慎重に行いましょう。
除毛クリームは手軽さとリスクが表裏一体であることを理解しておきましょう。
幼少期からアトピー性皮膚炎で、超敏感肌として生きてきた私が感じているのは、肌の丈夫な人はとことん丈夫、肌の弱い人はとことん弱いということ。
食器を洗うのに、素手で台所洗剤で洗っても日常生活に支障のない人もいれば、食器洗いはもちろん、入浴や掃除など洗剤が手に触れる場面では必ずビニール手袋を着用しないと一瞬で肌荒れが起きてしまう人もいます。
そんな超敏感肌の方がムダ毛処理を行う場合、とにかく肌への刺激がないもの、今後も刺激を与えなくてすむもの、ということを第一に考える必要があります。
敏感肌の方は、ちょっとした刺激が引き金となり、一度肌荒れが起きるとどんどんその範囲が広がっていってしまいます。除毛クリームやカミソリ、毛抜きなど、その都度刺激を与えて処理する方法より、費用はかかってしまいますが医療レーザー脱毛で今後の皮膚刺激をなくしてあげることが一番の解決方法ではないかと考えます。
除毛クリームというネーミングから、ムダ毛だけを無くしてくれるものと考えている方も多いのではないでしょうか。実際にはムダ毛だけでなく皮膚へも同等のダメージが与えられているということを理解し、除毛クリームとの付き合い方を見直してみてください。
ムダ毛処理はどうしても肌や毛穴に直接負担がかかってしまう行為ですから手軽さよりも肌への影響を最優先に考えて行いたいものですね。
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